優先順位を決めても時間がない人に必要な「タスクの引き算」

「やらなきゃいけないことが、多すぎて時間が足りない」
こんな悩みを抱えた時、人はまず混乱します。
その中からごく一部の人が気づくのが、優先順位の重要性です。

優先順位をきっちり決めて「自分の大切なものはこれだ」と頭では理解できた。
なのに、なぜか相変わらず、毎日の生活に追われ続けてはいませんか?

実は、時間の使い方に課題を感じている人が優先順位を決めた後にハマりやすい、非常に厄介な落とし穴があります。

それは、優先順位の上位に並んだタスクに対して
「どうやって作業スピードを上げるか」
「どんな便利ツールを使って時短するか」
という、「タスクを進める方法に限った効率化」だけに目を向けてしまうことです。

目次

優先順位を決めたのに時間が足りない原因は?

優先順位を書き出して頭の中が整理できると、自分の時間を大切にしようという意識が格段に高まります。

ここまで到達できた人は、あと一歩。
もう一押しで、大切なものを本当に大切にできる毎日を手に入れられます。

なのに時間が足りない状態が続いてしまうのは、なぜなのか?
それは、「どのタスクを改造するか」という問題に、まったく手を付けられていないからです。

「時短」にこだわりすぎていませんか?

「もっと時間を削れる手順はないか」「最新の便利なツールを使えば短縮できるのではないか」と、やり方に固執してしまう気持ちは、私もとてもよく分かります。

実際、私も家事に対して、食器洗い乾燥機やロボット掃除機などの時短家電を取り入れて作業時間を短くしています。

また、パソコン仕事であれば、生成AIを活用してリサーチや大量のデータ分析を一瞬で終わらせるなど、新しいツールで作業スピードを上げるアプローチも非常に効果的です。
また、パソコンを利用する環境そのものにも、私ならではの工夫あり、です。

しかし、ここで一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。

このやり方で、私は本当に優先順位を守れているのだろうか?

ドラッカーの教えが突く「やらなくていいことの熟練」という無駄

マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーの言葉に、次のような趣旨のものがあります。

効率とは、事柄を正しく行うことである。成果とは、正しい事柄を行うことである。いかになされるべきでないかを効率的に行うことほど、無駄なことはない。(断絶の時代)

この言葉の本質は、単に「優先順位の低いムダな作業を熟練させても意味がない」と言っているだけではありません。
隠された真の意味は「あなた自身が、本当にやるべきタスクの精査を正しくできているか」という問いかけです。

どれだけ作業スピードを上げて時短を実現したところで、目の前にあるタスクそのものに問題があれば、どれほど時間を短縮しても根本的な解決にはなりません。

優先順位の上位を叶える「真の引き算」

優先順位を正しく決めたつもりでも、その下に紐づくタスクの選び方を間違えているケースは少なくありません。

具体的な例で考えてみましょう。ある人が次のような優先順位を設定したとします。

1位:子どもとの時間を大切にする
2位:自分のことも大切にする
3位:仕事を頑張る

この優先順位を守るために「毎日3食、手作りのご飯をしっかり作る」というタスクを設定したとします。
一見すると、子どもを想う素晴らしい行動に見えるかもしれません。

ですが、もしこの人が連日の残業で、夜8時にしか帰宅できない生活を送っていたらどうでしょうか。
子どもが幼ければ、帰宅した時にはもう寝ているかもしれません。

これではどんなに手料理にこだわっても「子どもとの時間を大切にする」という1位の目的は達成されないままです。

タスクの引き算・ステップ1:優先順位1位の「真の目的」を再確認する

先ほどの例で本当に向き合うべきは、料理の手順を効率化することではありません。
「残業で20時にならないと帰宅できない状態そのものを、どうにかすること」です。

つまり、一番の目的が「子どもと過ごす時間を増やすこと」なら、目指すべき行動はていねいな料理作りではなく「残業時間を1時間減らすためのタスク」となります。

帰宅時間を1時間早めることができれば、子どもと一緒に過ごせる時間が物理的に増える可能性が高いでしょう。
食事づくりではなく働き方を見直す方が、優先順位1位の実現に圧倒的に近づくのです。

タスクの引き算・ステップ2:「カウンターパンチ」を探す

このように私たちは「最優先事項を叶えるために、上位のタスクをどうこなすか」ばかりに気を取られがちです。
ですが、実は優先順位のずっと下(5位や8位、13位など)に置かれているタスクを引き算することこそが重要だと、私は考えます。

優先順位のより低い不要なタスクを、思い切って削除する。
たったこれだけで、上位の目的が一気に叶う「カウンターパンチ」のような効果的なスイッチになります。

最優先の目的を果たすためには、下の層にあるタスクから引けるものはないかを探す視点が不可欠です。

手作り離乳食から学んだ「手放す覚悟」と生活のバグ解消

私たち日本人は、どうしても「やるべきこと」を増やしすぎてしまう傾向があります。
子育てにおける「離乳食作り」などは、まさにその典型です。

離乳食を始めたばかりの時期は、ほうれん草や人参をすり潰してペースト状にしたり、リンゴをすり下ろして果汁だけを絞ったりと、気が遠くなるような手間がかかります。
あなたにも「ああ、そういえばそうだったな。頑張ってたな」という記憶、ありませんか。

上の娘を育てていた頃の私は「時間を生み出す思考」がまだ身についていませんでした。
その結果、何の疑いも持つことなく、夏場に高価なミカンを買ってきては毎日半分に切って手で汁を絞っていたのです。

そして時は流れ、下の息子を育てる頃には考え方がガラリと変わっていました。
手で果汁を絞る手間、そして時間はすべて食品会社に代行してもらい、市販の離乳食をありがたくフル活用する生活に切り替えたのです。

こうして手作業にかける時間を引き算したことで生じたゆとりを、子どもと向き合う時間や他の大切な作業に充てることができました。

今では「子どもとの時間を大事にするために、離乳食を手作りしなければならない」という思い込みは、まさに思考のバグだったと実感しています。

優先順位の下位にあるタスクこそ「宝の山」

「優先順位を決めたのに時間が足りない」と感じた時、生活の中にこうした思考のエラーやバグが潜んでいないかチェックしてみてください。

まずは、自分の優先順位を書き出すこと。
優先順位が確定した後、次に探すべきは、優先度がより上位のタスクの時短テクニックではありません。
1位の大切な目的を達成するために、優先順位の下位にあるタスクをじっくり眺めてみましょう。

下位にあるタスクの引き算、そして完全な手放しを実行する。
これらを実行することで、優先順位1位の目的が一気に叶う解決策が見つかる可能性があります。

「押してダメなら、引いてみる」
この精神を持ち、宝探しのような感覚であなたの持っているタスクを見直してみてください。
目の前に立ちはだかっていた「壁」が、一気に音を立てて崩れていくかもしれません。

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この記事を書いた人

地方に住む、普通の主婦。
2010年から在宅で仕事をしています。

このブログでは、「持続可能な現実的な生き方」をテーマに
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・人間関係
について、「こうあるべき」ではなく、実際に起きたこと、考えたことをもとに書いています。

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