目の前のドアを閉めようとした時、ドアノブを持たずに膝や足先で「チョン」と押して閉める。
床に近い収納から物を取るときに、膝を伸ばしたまま前屈姿勢で腕を伸ばして取る。
日常の中に、ごく当たり前にある光景ですよね。
「急いでいるから」「ちょっと面倒だから」と、ついやってしまいがちなこれらの横着な動作。
実はこれ、身体にとっても、そしてあなた自身のメンタルにとっても、想像以上に恐ろしいリスクを引き起こす「マイナス習慣」なことをご存知ですか。
ですが、怖がる必要はありません。
ほんの少しの心がけを取り入れてもらえば、良くない影響からあなたを遠ざけることができます。
今回の記事では、日々の何気ない所作が私たちに与える影響と、今日から意識したい「見直し術」についてお伝えします。
無意識の「横着」が引き起こす、ふたつの代償
普段、何気なく行っている横着な動作ですが、そこにはあなたの生活を脅かす「ふたつの大きなリスク」が潜んでいます。
まずは、身体と心にどのような負担がかかっているのか。
順番に見ていきましょう。
精巧なマシンである「身体」を壊すリスク
人間の身体というものは、あなたが思っている以上に繊細で、精密な作りをしています。
意識せずとも神経や筋肉、そしてアキレス腱などの腱が協力し、意図した通りの細かい動きを実現してくれています。
いわば、人体は極めて精密な「メカ」です。
「テーブルに置かれているお茶の入ったグラスを手に取り、口元に持っていって喉に流し込む」
動作としては、毎日のように行っているはずである、お茶を飲むという行動。
ですが、実際には「人体」というチームが一致団結してはじめて、私たちは喉の渇きを潤すことができるのです。
それにもかかわらず、手で扱う前提で作られているドアを足や膝で押し閉めたり、腰を落とすべき場面で無理な姿勢をとったりと、人体というメカにとって想定外の動作を求め続けたらどうなるでしょうか。
当然ですが、機械と同じで「壊れる」ことになるでしょう。
「たかがそれくらいの動作」と甘く見ていると、ある日突然、身体という精密機械が悲鳴を上げるのです。
恥ずかしながら私自身も、床近くの物を取ろうとして横着な前屈姿勢をとった結果、見事なぎっくり腰をやらかした経験があります。
元の状態に戻るまでの所要時間は、2ヶ月ほど。
急で無理な動作がいかに身体を壊すかを、身をもって思い知らされました。
「私はダメ人間」という呪いをかけるリスク
ふたつめのリスクは、メンタルや心へ与える悪影響です。
膝でドアを閉めたり、変な体勢で横着をしたりするのは、そのたびにあなたは自分自身の脳に向かって「私はズボラで、いい加減な人間です」と語りかけているのと同じです。
脳というものは、ある意味、非常に「素直」です。
そんな脳に毎日、何度も繰り返し「私はズボラです」と語りかけられ、吹き込まれたあなたの脳はどうなるでしょうか。
その結果は、恐ろしい「誤認」です。
- 横着な動作をする
- 「自分はズボラでいい加減な人間なんだ」と、脳が誤解する
- 以前はできていた「かけるべき一手間」惜しむようになる
- ていねいな対応を忘れ、何事にも雑でいい加減な人間へと変化する
一見するとただの横着に見える動作が、じわじわと「ズボラな自分」を脳に刷り込む強力な暗示、言い換えると「呪い」となってしまうのです。
書いていて、私が恐ろしくなってしまいました。
雑な所作が生む、残念な人間関係
話は変わりますが、あなたの身の回りに何となく所作が雑な人はいませんか。
そうした人をよく観察してみてください。
例外もありますが、かなりの確率で「何事に対してもいい加減」ではないでしょうか。
約束を守らない。
平気で遅刻をする。
物を大事に扱わずに、すぐ壊す。
所作が雑な人は、心の中の「いい加減さ」が立ち振る舞いににじみ出てしまっていることが多いものです。
横着な動作が自分をむしばむだけでなく、周囲にもガサツな印象を与えて信頼を失ってしまう。
無意識の所作でマイナスのイメージを持たれてしまうのは、とてももったいないと私は思います。
ですが、これは裏を返せば、希望でもあります。
毎日のちょっとした動作に気を配るだけで、あなたの人柄や印象、そしてセルフイメージが大幅に向上する可能性を示しているのですから。
今日から人生の質が変わる!所作を整える「お作法」見直し術
ここからは、私たちの精密機械である身体を守り「自分はていねいに扱われるべき、大切な人間なのだ」という肯定的な感覚を脳に染み込ませるための、具体的なお作法をご紹介します。
日常の動作をほんの少し見直すだけで、心と身体の双方が整っていきます。
「所作」改善プログラム・その1:ドアや引き戸は「手を添えて」静かに閉める
ドアを閉める時は足や膝を使うのではなく、必ずドアノブを手で持ってそっと閉めるようにしてください。
勢いよく「バーン!」と閉めるのは論外と心得ましょう。
引き戸(スライドドア)の場合も同様です。
取っ手にしっかり手をかけ、できれば両手を添えて静かに開け閉めする習慣をつけてください。
ここでドアを閉める動作を選んだのは、1日で何度も行っているから。
お手洗いに入る時がトレーニングタイム、というわけです。
「手を使ってていねいに扱う」という動作ひとつで、物や空間を大切にする豊かな気持ちが、あなたの心の中に育まれていきます。
「所作」改善プログラム・その2:低い位置にある物は「膝を折り、腰を落として」取る
床に置かれた収納などから物を取るなど、目線よりかなり下で動作を行う時は、膝を伸ばしたまま腕だけで伸ばそうとしてはいけません。
しっかり膝を曲げ、腰を落としてかがんでから取り、静かに立ち上がりましょう。
また、膝を曲げてしゃがむ動作をしなくなると、膝の筋力や柔軟性が落ちる原因にもなります。
普段からしっかり膝を使って、体を動かすことが大切です。
膝を痛めている方は無理をせず、痛まない範囲で調整してください。
どうしても膝の痛みがつらい場合は、我慢せずに医療機関などを頼りつつ、日々のケアを取り入れてください。
ちなみに私が膝の不調を感じた際にプラセンタのサプリメントを試してみたところ、かなり動きが楽になりました。
日々の身体の動作に限らず、暮らしの中で使う「道具」との付き合い方もまったく同じです。
横着をして雑に扱うのではなく、適切な手入れをしてていねいに使うこと。
これこそが、無駄なストレスや怪我というトラブルを未然に防いでくれます。

所作をていねいにすれば、心と身体が内側から満たされていく
ここまでにお伝えした通り、所作をていねいに整えることには数多くのメリットがあります。
精密機械であるあなたの大切な身体を、ケガやトラブルから守ることができます。
さらに「ていねいな所作を行うことで、味わい深い人生を選んでいるのだ」という意識が、毎日少しずつシャワーのように脳に染み込んでいきます。
また、他の人から見ても、一手間をかけたていねいな所作はとても美しく見えるもの。
結果として、あなたの評価が上がることは間違いありません。
今、この瞬間から、「ドアノブに手を添え、膝を折って腰を落として物を取る」と決めてください。
この「小さな一歩」から、あなたのセルフイメージ向上の旅が始まります。
この「小さな一歩」を踏み出すか、これまで通り無意識に自分を痛めつけ続けるか。
選ぶのは、あなた自身です。
精密機械である自分の身体と心を、どう扱うか。
その答えは、あなたが次のドアをどう閉めるかに、すべて現れています。

