「育休中に副業始める人っているの?」
こんな疑問を持つ方も多いでしょう。
なのですが、これは事実です。
育休中に副業を始めることが、今、ちょっとしたブームです。
育休中の副業がブームになった背景
今から30年前、育児休業を取得した後に元の職場に復帰する道は、それほど広くありませんでした。
公務員を除いた民間企業では、制度はあるが実際は活用されていないケースも、珍しくなかったのです。
そして時は流れ、今。
子供を持つ女性、つまり母親が出産後に元の職場でまた働くことが、当たり前の風景になりました。
出産後、育休に入る女性が、爆発的に増えたのです。
一見すると「女性の働く権利が保護されるようになった」という良い話に思えるかもしれません。
なのですが、育休からの復帰ができるようになった結果、別の問題が発生しています。
それは、育休中という「一時的な状況」そのものにあります。
働いていた時より金額は減りますが、育児休業中も収入はあります。
とはいえ、会社で働いていた時より少なくなった結果、家計への影響は避けられません。
育児休業には、必ず終わりの日が来ます。
職場に復帰することに対して、1日の流れが激変することや子供が病気になった時の対策に不安を覚えるママは非常に多いです。
さらに、育休中は行動範囲が狭くなるケースがあります。
日中は自宅で、小さな子供とふたりきりで過ごす。
この状況に耐えられないママさんがいるのは、想像するまでもなく明らかでしょう。
お金が不安だっただけかもしれないし、復職が怖かっただけかもしれないし、誰か大人と話したかっただけかもしれない。
ですが、副業を始めることで、収入が得られたり、復職せずに副業を本業にする選択が生まれるし、外部の大人と関わるチャンスが得られます。
つまり、育休中のママが持つ幅広い「モヤモヤ」を解消する手段として、副業が注目されているのです。
育休ママの副業が持つ、構造的な矛盾
育休中の女性が副業を始めるなら、まずは在籍している会社に申請を出すのが第一ステップでしょう。
とはいえ、これはやって当たり前の話なので、今回は触れません。
「会社に隠れてこっそりやれば、バレない」ではないことだけは、伝えておきます。
会社から副業の許可をもらった後も、考えるべきことはたくさんあります。
「育休ママ×副業」の問題点・その1:時間の制約
子育て中は、まとまった時間が取りにくいです。
子供はすぐに「ママー」とやってくるものですし、昼寝をしたと思ったら5分で起きてきます。
また、月齢が小さいうちは夜中の授乳が毎日、発生するケースが多いでしょう。
このような毎日を休むことなく続けている状態で、さらに家事もあります。
果たしてどこに、副業を始める時間があるのでしょう?
「育休ママ×副業」の問題点・その2:夫の理解
育児をしながら働く妻のことを、夫が快く応援、協力してくれるとは限りません。
むしろ、反対されるケースもあります。
- 「副業のせいにして、家事や育児の手を抜くのではないか」という嫌悪感
- 「自分の見えないところで、とんでもないことをするのではないか」という不安
- 「オレの稼ぎが少ない、と当てつけたいのではないか」という、男としてのプライド
会社の壁を突破して、体力的に問題がないとしても、「夫」をクリアすることは一朝一夕では難しいです。
結婚する前から信頼を重ね、ママの行動に対して「何か意味があるのだろう」と思ってもらえないと、最初の一歩を踏み出すことさえ困難でしょう。
「夫婦で家計をどう設計するか」については、こちらの記事で書いています。

「育休ママ×副業」の問題点・その3:復職後の生活
ここまでの問題点を解消したとしても、育休生活に終わりが来た時の問題は残ります。
副業を続けるのなら、どのような生活に変えるのか?
辞めるのであれば、これまでの副業を精算しなければなりません。
最初から「この副業は育休中だけ」と決めた上で始めるのであれば、問題は小さいでしょう。
なのですが、「あわよくば、復職せずに副業を本業に変える」と思っていたのなら、様々な問題が押し寄せるのは間違いありません。
育休ママの副業が「成功」した時に現れる、大きな「落とし穴」
さて、ここまでに出てきた関門をすべて突破し、育休中であるにも関わらず副業が軌道に乗った場合。
実はさらに大きな落とし穴があることは、あまり知られていません。
その「落とし穴」とは、家庭、および夫婦関係の崩壊です。
先ほど、「育休ママ×副業」の問題点として、夫の理解を挙げました。
副業収入が得られる前の段階では、行動が変化する点における理解があれば十分です。
なのですが、育休ママの副業収入が増えてくると、別の問題が発生します。
会社に所属しながら、会社とは別に収入が得られるようになる。
そして、この別収入は誰の助けも借りずに、自分で獲得したものである。
この条件がそろうと、ほんの些細な夫への不満が「もう、この人と一緒にいなくてもいいかもしれない」という方面にふくらむ可能性があります。
副業で収入を得られることで、経済的に夫から自立できる可能性を見てしまったら。
「我慢して夫と共に生きる」を選ぶ理由が、かなり小さくなります。
ひとたびこの種類の不満が生まれたら最後、あとは爆発するまで育つだけ。
行き着く先は、言うまでもないでしょう。
これもまた「育休ママの副業が失敗した」なのです。
もしも、育休中に副業を始めたいと思ったら
私は育休ママの副業を「副業収入が得られたかどうか」だけでは見ません。
家庭や夫婦関係、復職後まで含めて、成功か失敗かを判断しているのです。
だから、育休ママの副業は、95パーセント「失敗」します。
ここまで書いてきたすべての壁を突破できるなら、そもそも副業に逃げようとは思わないですから。
育休中に働きたいと願うママの抱える真の問題は、夫婦関係である可能性が高いです。
育児休業に入ったせいで、自分の収入が減ってしまった。
そのために、目に見えて家計が苦しくなった。
自分のせいだから、自分が何とかしないといけない。
こういった心の動きが、育休中の副業へと走らせるのです。
ですが、ここで「夫に相談する」という選択があるのなら、状況は一変します。
家計が苦しくなったことを、率直に夫に話す。
夫も自分の問題、そして夫婦の問題として捉える。
ふたりで知恵と力を合わせて、育休中のお金問題を突破する。
これさえできれば、育休中のママは育児に専念できる。
言い換えると、副業を始める必要が消えるのです。
さて、ここまで読んで、あなたはどうしますか?
家計が苦しいのだと、夫に打ち明ける決心はつきましたか?
もしも今、言わないのなら、その不安は一生、あなたと共にあります。
副業を始めるかどうかよりも先に、本当に向き合うべき問題は何なのか。
そんな「人生の優先順位」について考えたい方へ、果実の時間・メールマガジンを書いています。

