「好きを仕事に」で失敗する罠。稼げない人が陥る思考のバグ

「好きなことを仕事にして、自由に生きていきたい」

SNSや書籍の中であふれているこのフレーズほど魅力的に聞こえるものは、そう多くありません。

今の仕事に我慢や限界を感じている人ほど、「自分の好きなことなら、楽しくお金が稼げるかもしれない」と期待を寄せてしまうのではないでしょうか。

ですが、もう10年以上、さまざまな方の起業や副業の相談に乗ってきた私から見ると、「好きを仕事に」には懐疑的な立場を取らざるを得ません。

なぜなら、好きをそのまま仕事にして成功できる人は、ほんの一握りしかいないからです。

安易にその言葉を信じて会社を辞めて「好き」へ飛び込むと、身動きが取れなくなってしまうリスクすらあります。

なぜ「好きを仕事にする」という道は、これほどまでに険しいのでしょうか。
まずは世間で語られる甘いイメージの裏にある、ふたつの現実的な問題から整理していきましょう。

目次

好きなことで生きていく?キラキラした言葉の裏にある「ふたつの高い壁」

憧れだけで「好き」をビジネスにしようとすると、ほぼ確実に突き当たる壁が存在します。
その中でも代表的なふたつの障害について解説します。

「好き」が直接お金に変わる人はごく一握り

ひとつめの壁は、自分の「好き」という感情が、そのまま誰かからお金をもらえる価値に結びつくケースが非常に少ないことです。

動画を見るのが好き、本を読むのが好き、散歩をするのが好きといった趣味を持っている人はたくさんいます。

しかし、それを「どうやって収益化するのか」という具体的な仕組みを作れる人は、ほとんどいません。

プロの演奏家やお笑い芸人のように、本人の「好き」と「提供する価値」がダイレクトに結びつくのは例外的なケース。
多くの場合は、単に「自分がやっていて楽しいこと」で終わってしまい、ビジネスとして成立しないのが現実です。

そもそも「自分が何好きか分からない」という深刻なバグ

そしてふたつめの壁は、さらに根本的な問題です。
大人になればなるほど「あなたの好きなことは何ですか?」と聞かれても、パッと即答できない人が驚くほど多いのです。

日々の生活や仕事に追われ、自分の感情に蓋をして生きていると、自分が本当に何を好きなのかすら把握できなくなってしまいます。

自分の「好き」が何かも分かっていない状態では、それを仕事にする以前の話。
「好きを仕事にする方法」を探す前に、自分の足元が見えなくなっている人が多いのが現状なのです。

「好き」が仕事に化ける、唯一のプロセス

では、「好き」が仕事になるルートは完全に閉ざされているのでしょうか。
実は、狙って作るのではなく「結果的にそうなってしまった」というパターンであれば、仕事に化ける可能性は存在します。

どのようなステップを経て「好き」がビジネスへと変わっていくのか。
そのプロセスを、紐解いていきましょう。

ステップ1:他人の役に立つレベルまで「好き」を徹底的にやり込む

まず最初のステップは、見返りや仕事化を一切求めず、自分の「好き」をひたすら深くやり込むことです。

ある特定の配信者が好きで、新作動画が出るたびに熱心に通い詰め、相手のモチベーションが上がるような深いコメントを毎回残し続けたとします。

周囲から見れば大勢のファンのひとりに過ぎないかもしれませんし、本人もきっとそう思っているでしょう。
ですが、発信者側は熱心で質の高い反応をしてくれる読者をよく覚えているものです。

誰かの役に立ったり、相手の心を動かしたりするレベルまでやり込む。
これが、すべての出発点になります。

ステップ2:自分から売り込まず「向こうから声がかかる」のを待つ

次のステップは、関係性が深まった結果として、相手からオファーをもらうことです。

継続的に熱意ある関わりを続けていると、「今度新しく出す商品のレビューを書いてくれませんか?」といった依頼が、相手側から自然と舞い込んでくることがあります。

これこそが、「好き」が仕事に昇華する本質的な瞬間。
「これで稼いでやろう」と自分から売り込んでも、相手からは体よく無視されるのがオチ。

そうではなくて、好きでやり込んでいた結果として、他人から求められ、仕事につながっていくわけです。

狙って作れるものじゃない?「好きの仕事化」に潜む運と時間の罠

先ほど説明したプロセスを聞いて、「自分もやってみよう」と思った方がいるかもしれません。
しかし、このルートを狙って再現するのはおすすめしません。

なぜなら、この方法で仕事を作るには、半年や1年といった膨大な時間をかけて特定の対象を追い続ける必要があるから。
損得勘定抜きで純粋に好きで続けられる人でなければ、途中で挫折してしまうでしょう。

さらに言えば、最終的に声がかかるかどうかには大きな「運」の要素が絡んできます。

狙って打てる対策がなく、宝くじに当たるような確率の行動を「再現性のあるノウハウ」として期待する。
これは極めて危険な行為です。

偶然訪れたチャンスを有難く受けるのは素晴らしいことです。
ですが、最初からそれを狙って行動しても、思い通りの結果は得られる保証は1ミリもありません。

「嫌われる強み」が仕事になった!私のちょっと「変わった」体験

ここで私の体験談をお話しします。
私、実は昔から「他人の発言と行動のズレを見つけること」が大好きでした。

子供の頃、この特性をそのまま相手に指摘してしまい、周囲からひどく嫌われた経験もあります。
なのに、自分でもやめようと思って止められなかったのです。

しかし、大人になってから、この「人の言動の違和感に気づく能力」を評価してくれる人たちと出会いました。
その結果、ビジネスの構造を分析したり、人の課題を見抜いたりする仕事へと広がっていったのです。

私自身、これを仕事にしようと計画したわけではありません。
自分ではコントロールできない特性が、周囲との関わりの中で「気がついたら仕事になっていた」というのが真相です。

「好きを仕事にする方法」を探すのは、今すぐやめよう

これまで多くの方から起業・副業相談を受けてきました。
そこで見たのは、「好きなことを仕事にしたい」と方法を探している段階の人ほど、目標を達成できていないという現実でした。

その一方で、すでに好きなことが仕事になっている人は、誰にも相談せず勝手に楽しんでいた結果、自然と収入に繋がっていることがほとんどです。

つまり、「好きを仕事にするノウハウ」を探し求めること自体が、本来の目的からズレてしまっているのです。

まずは「好きをそのまま仕事にするのは、難しい」という現実を受け入れることから。
そして、好きと「稼ぐ」をダイレクトにつなげるのは、もうやめましょう。

あなたが時間を忘れて没頭してしまうこと。
(それが他人から理解されない奇癖や、自分でも止められない行動パターンであっても)
すなわち「好き」の芽を観察することからスタートしてみてください。

あなたの好きを「好き」のままに突き詰めること。
これが結果として「好きを仕事に」へと続く、たったひとつの道なのです。

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この記事を書いた人

地方に住む、普通の主婦。
2010年から在宅で仕事をしています。

このブログでは、「持続可能な現実的な生き方」をテーマに
・生き方
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・働き方
・人間関係
について、「こうあるべき」ではなく、実際に起きたこと、考えたことをもとに書いています。

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