誰かと会話をしている時、噛み合っていないと感じることはないだろうか。
お互い、日本語を使っているはずなのに、意思疎通ができていない感覚。
自分の返事に対して相手の反応が悪いように感じて、不安になる場面。
会話は成立しているように見えるのに、なぜこうした「モヤモヤ」を感じるのだろうか。
「言われたこと」が何か分からない、という問題
誰かに対して「〇〇をしてください」と言う時、言った側は自分の知っている言葉を、何の疑問もなく置いていく。
さらに、自分が使うすべての言葉に対して、自分が使い慣れている解釈で相手も受け取るはずだと、無意識に思い込んでいる。
一方、受け取る側にも同じ現象が起きている。
受け取る側は、自分が使い慣れている解釈で「〇〇をしてください」を解読していく。
また、自分にとって見覚えのない言葉が出てきた際には「何となくこのような感じ」といった雰囲気で読み進めてしまい、意味を取り違えても気づかないままだ。
2年ほど前まで、私は仕事を頼む際に「なるはや」という言葉を「すぐやれ」という意味で使い続けていた。
だが、私の依頼を後回しにする人がいたので、疑問に思ってSNSで質問してみた。
そうしたところ、「時間があればやる」「スキマ時間で進める」という返答を得たのだ。
優先順位を上げてほしいと思って添えていた言葉が、まったく逆の方向を指し示していた。
言った側は、自分の知っている言葉を、いつものように使う。
受け取る側は、自分の使い慣れている解釈で判断し、知らない言葉を見ても調べない。
これらの現象が組み合わされた結果、「言われた通り」が実現されない。
「言われた通り」を実現するには?
誰かと話す時、相手の言葉を「正しく」聞く。
当たり前に見えるが、非常に難しいことだ。
1つ1つの言葉に対して「自分が知っている言葉なのか」「相手はどういう意味で使っているのか」といった解釈、そして判断していく。
これが、「言われた通り」を実現するために求められるからだ。
「〇〇してください」と言われた時は、知らない言葉の意味を理解した上で、全体を通じて「何を」言われたかを正確に把握する。
これができれば、解釈の相違が発生する可能性を大きく下げることができる。
毎日のように使っている言葉は、万能ではない。
その言葉を使う人数分だけの使われ方、解釈が存在するのだ。
自分にとって当たり前に通り過ぎる言葉こそ、注意深くある姿勢が求められると私は思う。
