私には何の能力もないから、何もできない。
この10年あまり、仕事を通じて私が耳にしてきた言葉だ。
もう何回聞いたか忘れてしまったくらい、回数は多い。
だが、今から20年前に同じことを思っていた私から言わせてもらう。
「できることが何もない人は、存在しない」
子どもだけが持つ「能力」
赤ちゃんは「そこにいる」時点で、できていることがある。
可能性、癒し、そして責任という人生の目的を親に与えている。
つまり「何者ではない状態」こそが、赤ちゃんの持つ能力なのだ。
この能力、そして価値は、年齢が上がるごとに漸減していく。
今の日本であれば、概ね高校が終わる頃、18歳の時点でゼロになる。
ここから先は、自分の能力を頼りに社会を渡り歩くことになる。
そして、このセリフが出てくるのだ。
「私には何の能力もないから、何もできない」
大人が自分の能力を見つける方法
現時点で大人として社会生活を営んでいるなら、「できることが何もない」はありえない。
自分では気づかないうちに何らかの「できること」すなわち価値を提供しているから、つつがなく日々を過ごせているのだ。
では、どのようにして「できること」を見つければいいか。
ここでは私が常用している方法を3つ、提示する。
1.身近な人に聞く
最初にして最大の方法、それは身近な人へのヒアリングだ。
家族、友人知人、職場の人、近所の人、趣味のサークル仲間。
現時点で定期的に顔を合わせている人には、もれなくヒアリングする。
また、今は会わなくなったが、学生時代に親しく付き合っていた友人も対象だ。
聞き方も決まっているので、必ずこの言葉でヒアリングを始める。
「私が特に優れてできていることは、何ですか」
この聞き方を守ることで、相手の期待や思い込みを大幅に減らすことができる。
なぜなら、この言葉は事実を問うているからだ。
「できること」の判定基準は、以下のとおりである。
- 同じことを多数の人から聞いた
- 自分にとっては当たり前である
多くの人が同じことを言うのなら、それはほぼ間違いなく「できること」だ。
すぐに採用して問題ない。
また、自分にとって大したことだと思えない場合ほど、注目に値する。
「大したことがない」と思った時点で、人は注意を払わなくなる。
結果として、自分の能力だとは思えなくなるのだ。
応用編として、私は「一人だけが言ったこと」も意識している。
大半の場合では外れなのだが、ごく稀に正解を指しているという事例があった。
余力があればで構わないので、検証するのも良い選択だ。
2.過去を振り返る
大人になっているのなら、最低でも20年ほどは生きてきたはずだ。
そこには人生という歴史と流れが、既に存在している。
自分が持つ歴史からも、「できること」が見えてくる。
手順は以下の通りである。
1.「あの時は良かった」時代を思い返す
いつ、どこで、何をしていたのか
誰と過ごす時間が多かったのか
その時、どのような感情を持っていたのか
2.「1」の共通点を洗い出す
場所、人間関係、そして「選択」
この3つのどれかに共通点がある場合が大半
学校なのか、職場なのか
顔を合わせる人間関係を通じて発現するのか、Webなどのバーチャル、オンラインなのか
学校や近所などの与えられた環境なのか、趣味のサークルといった選択権がある環境なのか
この手順を通じて発見した成功体験の中に「できること」のヒントは必ずある。
逆に言えば、「できることをしていたから成功したのだ」とも言えるのだ。
発見したら、後は同じ状況を再現するだけである。
3.自己診断ツールを利用する
本来、こちらは上級編だと私は考えている。
1、2を先にやり尽くした後でも間に合うからだ。
どちらかというと、1、2の答え合わせとして利用するくらいでちょうど良いのだ。
自己診断ツールの活用が上級だと考える理由は、ただひとつ。
これらのツールが玉石混交なので、目利きが必要だからである。
一時期、私は自己診断ツールに凝っていたことがあった。
仕事でも使っていたのだが、それ以上に「自分探し」ばかりしていたのだ。
過去、自己診断に関して出した金額は、軽く300万は超えている。
金額の多寡で推し量るのもどうかと思うのだが、ひとつの指標として置いておく。
以上3つの方向から考察を重ねたら、必ず「できること」を手に入れることができる。
あとはやるか、やらないか。それだけだ。
