今から20年前、あなたはガラケーを使っていたかと思います。
20年前というと、2005年ごろ。
iモードが全盛だった時代だといえば、「そういえば」となるでしょう。
そこから10年経たない間にスマホが一気に普及し、今から3年ほど前からはAIが私たちの生活に深く入ってきました。
ガラケーからスマホ、そしてAIへと。
この20年、情報にたどり着くためのツールの進化は加速する一方。
きっとこの先も、変化のスピードは早いままである可能性が高いです。
あらゆる情報に素早くアクセスできるようになったのは、一見すると便利でありがたいこと。
とはいえ、これらの大量の情報を「使いこなす」ための能力を伸ばす話が置き去りになっていると、私は考えています。
AIの道案内は「正しい」のか?
今、この原稿を大阪の阪急三番街のとあるカフェで書いています。
JRで大阪駅に入り、コインロッカーに荷物を預けて阪急側に移動しようとしたのです。
ところで私は、極度の方向音痴です。
「どれだけ、ひどいか」については、こちらの過去記事をどうぞ。

こちらの記事で解説したのは、クルマで移動する際に私が行っている対策。
あれこれ対策を講じたおかげで、クルマ移動での迷子率はかなり下がりました。
その一方で、電車や地下鉄が移動手段である大きな都市となると、話は違ってきます。
率直に言うと、「Googleマップは使えない」
改札を出る前からGoogleマップを使おうものなら、駅のホームにいるのに「南西へ100メートル」とか言われるので、地面にスマホを叩きつけたくなります(やらないですが)
そこで登場するのが、AIです。
なのですが・・・
JR大阪駅・5番ホームから、今いるカフェにたどり着くまでの所要時間は、AIに道案内をしてもらいながらで45分。
ヨドバシカメラを道を挟んで左手に見た後、さらに10分以上、かかっています。
大阪に詳しい方なら、きっと「梅野、さんざん道に迷ったな」がお分かりいただけるはずです。
とはいえ、AIがポンコツだったと言うつもりは、毛頭ありません。
こんなに時間がかかってしまった理由。
それはひとえに、私に「地力」に問題があったからです。
(ちなみに、迷わなければ15分もあれば移動できる距離でした)
AIの回答を判断するための、3つの地力
今回、私が道に迷った原因は、大阪の地理に関する「地力」を私が持ち合わせていなかったこと。
具体的には
- 基礎的な知識
- 状況を読む力
- 撤退力
この3つです。
ひとつずつ、説明しますね。
AI活用に必要な地力・その1:基礎的な知識
今回は目的地への移動だったので、基礎的な知識とは土地勘を指します。
大阪駅の構内を、どれだけ正確に記憶しているか?
また、周辺にある大型店や私鉄の路線名、高速バスターミナルを見て、位置関係を即座に思い出せるか?
このあたりが基礎的な知識になります。
私は大阪に住んだことが一度もないので、当然ながら土地勘はゼロ。
つまり、基礎的な知識が欠けていた、となります。
「AIに道案内してもらったのに道に迷ったのは、不思議ではない」となります。
AI活用に必要な地力・その2:状況を読む力
次は周りを観察して、適切な選択をする力。
別名「空気読めよ」です。
今回の場合は、「人が歩いている方向には、大きな施設があるだろう」という予測ができなかったのが敗因です。
なにせ、ヨドバシを左手に見ていたのに、何を思ったのかJR御堂筋北口の中に入ってしまったのですから。
これもきっと、大阪の方にとっては「何やってんの?」「そこは階段、登るところでしょ!」でしかないでしょう。
私、子供の頃から空気が読めない子でした。
途中からは空気を読むのを投げ捨てて、開き直る始末。
そのままで生きてきたので、これまたAIの出す回答を丸ごと「そうなんだ」と思う原因へとつながりました。
AI活用に必要な地力・その3:撤退力
最後の地力は「撤退力」
今回なら、AIからの回答に疑問を感じた時に、一度立ち止まる判断。
場合によっては、来た道を戻ることを辞さない行動力が、撤退力です。
実は何度か、AIの道案内に疑問を覚えたのです。
最初は5番ホーム、つまり「ほぼ出発点」になります。
ホームの東の端っこに降り立ったのですが、そこからAIの言うことを信じすぎて、「西口はこちら」と案内が出ているエリアまで一直線。
つまり、ホームの端から端まで歩いてしまった、というわけです。
この時点で、改札階へ上る前に立ち止まるべきだったと、今なら分かります。
おそらく正解は「西口から出る」ではなく「桜橋口へ向かう」だったと思われるので。
あの時、ふと感じた違和感に従っていたならば。
もっと早く到着していたのは、ほぼ確実です。
失敗を重ねながら、地力をつけていく
今回、AI活用という視点から、私が持っていなかった情報や能力を「3つの地力」として、再構築しました。
知識、場の空気と流れを読む、そして勇気ある撤退。
どれもこれも、今までも求められてきた「力」のはずです。
AIが生活に組み込まれたからといって、これら「3つの地力」が持つ重要度は下がりません。
むしろ今後は、地力を持っているかどうかで、ますます差がつく時代になると私は予測しています。
さてあなたは、ご自身の「地力」を育てることを軽く見ていませんか。
「何でもAIが答えてくれるから?」と、安心していませんか。
AIは私たちに大量の情報を提示してくれます。
なのですが、その情報をどのように使うのかを決めるのは、私たち人間の役割です。

