「定年を迎えたら、あとは好きなことをしてゆっくり過ごしたい」
あなたも一度はそんな夢を持ったことが、あるのではないでしょうか。
ここで、実際に定年を迎えたあなたのご両親の様子を思い出してください。
毎日テレビを眺めて時間を過ごしている。
どこか手持ち無沙汰で、元気がない。
「ああ、そうだ」って、思いませんでしたか。
人生80年とも90年とも言われる現代において、定年後の「役割のない時間」は想像以上に長く、そして退屈なものになる傾向にあります。
何も求められない、自由に過ごしていいというのは、それはそれで苦痛なものです。
私が考える本当の「現役」とは、会社に勤めている期間のことではありません。
命が尽きるその瞬間まで、自分なりの役割を持って動き続ける。
いわば「生涯現役」こそが、最後まで人生を充実させる秘訣です。
今回は、人生の最後まで自分らしく生き生きと過ごすための「生涯現役」の実践ステップをお伝えします。
会社員は70歳で終了?「人生の余白」をどう生きるか
一般的な会社員生活は、65歳や70歳で一区切りを迎えます。
しかし、そこから先の人生はまだ10年、20年と続いていきます。
毎日同じカフェや地域の図書館に出向き、決まった時間に時間を潰す生活。
もしくは、一日中、ずっとテレビを見て過ごす日々。
こういった過ごし方は、一見すると楽に見えるかもしれません。
ですが、やるべきことや社会とのつながりをすべて手放してしまうと、人間の心と体は急速に気力を失っていきます。
生きている限り、ただ時間を流すように過ごすのはとてももったいないことです。
「何かやるべきことがある」「誰かに必要とされている」という感覚を持ち続けること。
この状態を維持することが、命の炎を燃やし続けるエネルギーになります。
そのためにも、若いうちから「自分にとっての現役」を定義しておくことが大切だというのが、私の考えです。
「生涯現役」を続けるための「自分軸」2つの実践ステップ
定年という概念に縛られず、最後まで自分らしく動き続けるためには、日々の暮らしの中に「小さな役割」を組み込むことが近道です。
今日からでも意識できる2つのステップを見ていきましょう。
生涯現役・ステップ1:日々の「家事」を手放さない
生涯現役の第一歩は、意外かもしれませんが「毎日の家事を自分自身でしっかりとこなすこと」です。
効率化や時短はもちろん大切ですし、このブログでも常々主張しています。
なのですが、家事を完全に手放してしまう必要はありません。
掃除や洗濯、家の中の片付けといった日常の動作は家の中を動き回るため、実はかなり良い運動になっています。
私は2階建ての家に住んでいますが、一日中、家の中に引きこもっている日であっても、スマートウォッチの歩数計が3,000歩を下回る日はありません。
外に一歩も出ずに3,000歩も歩ける動きというのは、家事の他にはちょっと思いつかないですね。
家事を自分で行うことは、体力を維持する効果だけではありません。
「頭を使って、生活をコントロールする」という素晴らしい脳トレ効果もあります。
「自分の生活を自分で回している」という実感こそが、健康と自立を支える土台になるのです。
生涯現役・ステップ2:「小さな仕事」で社会とつながる
ふたつめのステップは、金額の多い・少ないにかかわらず「誰かの役に立ち、対価や感謝を受け取る仕事」を持ち続けることです。
ここで言う「仕事」とは、生活費のために必死で働く会社員時代のような重い労働である必要はありません。
地域のファミリー・サポート・センター(ファミサポ)で近所に住むお子さんのお世話を手伝う。
シルバー人材センターやスキルシェアを通じて、得意なことを活かしたりする。
このような、無理のない範囲の役割で十分です。
得られる金銭の多寡に関係なく、社会とのつながりを保ち、誰かに「ありがとう」と言われること。
本当の価値は、ここにあります。
感謝の言葉やちょっとした謝礼、あるいはごちそうになるといった形で気持ちを受け取ることが、日々の生活に大きな張り合いと喜びをもたらしてくれます。
命があるその瞬間まで、自分の人生を使い切る覚悟
「もう年だから」「定年を過ぎたから」と自分から引退してしまうのは、与えられた命に対して少しもったいないし、失礼です。
あなたにとっては当たり前の「明日」を、どんなに切望しても得ることができない人が、現に存在するのです。

つい先日、昔からの起業仲間が胃がんで逝去しました。
私と同じ年代の女性、その無念さは察するに余りあります。
もう数ヶ月が過ぎたというのに、こうしてブログを書いていてもまだ涙がこぼれるくらい。
「彼女の分まで、いただいた命を精一杯、生きねば」と、私は思っているのです。
大切なのは、贅沢な暮らしをすることでも、有名になることでもありません。
今日一日の「やるべき役割」を持ち、自分の手足を動かし、誰かと温かい関係を築きながらコツコツと時間を積み上げていくことです。
人生の最後に「自分の命をしっかりと使い切った」と笑顔で思えるように、あなたも今から「生涯現役」の暮らし方を少しずつ準備してください。
一生の幕を引くタイミングにこそ、私はその人の価値が現れると確信しています。

