副業が絶好調でも会社員はやめるな!独立前に知るべき「売上3倍」の壁

少しでも収入を増やしたくて始めた副業。
順調に収入が伸びてくると、「そろそろ会社を辞めて独立しようか」と考える瞬間は訪れます。

ですが、すぐに独立起業するのはちょっと待ってください!

世の中のリアルなお金のルールを知らないまま、「今の給料と同じ金額を稼げているから大丈夫」と勢いで会社を辞めてしまうと、独立した直後から思わぬ壁にぶつかることになります。

実は、毎月銀行口座に振り込まれている金額と同じ分を稼ぐだけでは、まったく足りません。

会社員時代のお給料と同じ金額で生活が立ち行かなくなるのは、なぜなのか。
起業する前に知っておくべき「リアルなお金の話」を紐解いていきます。

目次

「給料分稼げたから脱サラ」が命取りになる理由

副業の収入が本業の給料と同じくらいになった時、自分の力で稼げた手応えを感じると、独立への期待が大きく膨らみますよね。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。

会社員時代に口座へ振り込まれていた金額と同じ額を自分のビジネスで稼げるようになったからといって、そのまま退職してしまうと、あっという間に生活が立ち行かなくなる可能性が非常に高いです。

独立するために必要な売上は、無仕入れのサービス事業であれば「現在の給料の3倍」、仕入れが発生する物販事業などであれば「現在の給料の10倍」がひとつの明確な基準となります。

なぜ、そこまでの金額が必要になるのか。
まずは、給与明細の仕組みから見ていきます。

基準にすべきは「手取り」ではない!給与明細の落とし穴

私たちが毎月、目にする給与の振込額は、各種控除が引かれた後の「手取り額」です。
しかし、独立した後に必要となる資金を計算する上で基準にすべきなのは手取りではなく、一番上に記載されている「総支給額」です。

この総支給額の時点で、すでに手取りより数万円高い金額になっているでしょう。
お手元にある前回の給与明細で、今すぐ確認してください。

会社を辞めて起業したいなら、総支給額を超えた売上を副業で得ていなければ話が始まりません。
手取り額だけを見て「これだけ稼げれば大丈夫」と判断してしまうと、独立直後から資金繰りに苦しむことになります。

厳しいようですが、これが独立への道に立ちはだかる最初の「壁」です。

なぜ「売上3倍」必要なのか?独立を阻む3つの現実

ここまでで話した通り、給料の手取り額と事業の売上では、その性質がまったく異なります。

無仕入れのビジネスであっても、なぜ手取り額の3倍もの売上が必要なのか。
3つの内訳として、順番に解説していきます。

「3倍」の内訳・その1:手取りと総支給額の罠

会社員時代は、所得税や住民税、社会保険料などが給与からあらかじめ天引きされていました。
これらは会社が自分の代わりに計算し、納付してくれていたものです。

独立して個人事業主になると、これらすべてを自分の事業売上から支払っていく必要があります。
また、納付そのものも、自らの責任において行わなければなりません。

特に注意したいのが社会保険料です。

会社員時代は厚生年金や健康保険料の半分を会社が負担してくれていました。
一方で、会社を退職した後は国民健康保険や国民年金に切り替わり、全額を自分自身で納めなければなりません。

お住まいの自治体によって金額は異なりますが、これは想像以上に大きな負担となります。
(起業仲間から「国保がキツイ」という話を聞く機会、非常に多いです)

「3倍」の内訳・その2:働くための「インフラ費用」

会社員として働いていた時は、オフィス、PC、デスク、文房具、通信回線、場合によっては社用車まで、あらゆる環境が最初から用意されていました。
個人事業主になると、これらの環境維持費や業務に必要な道具は、すべて自腹で揃えることになります。

また、自宅をオフィスにするのであれば、業務に耐えうる高速で安定したインターネット回線を準備しなければなりません。
我が家では光インターネットを導入しており、月に5000円ほどの負担があります。

このように、起業前なら会社が裏で負担してくれていた「働くためのインフラ費用」を、今度は自分の売上から捻出する必要があります。

「どこまで整えるか」次第ではありますが、負担がゼロにならないことは覚えておいてください。

「3倍」の内訳・その3:無収入リスクに備える「自己防衛資金」

3倍の売上が必要な理由の中で、最も大きな割合を占めるのがリスクへの備えです。

会社員であれば、万が一退職しても条件を満たせば失業保険が給付されます。
しかし、個人事業主には「失業」という概念が存在しないため、公的な失業保険はありません。

クライアントからの発注が突然途絶えたり、案件がなくなったりした際の収入途絶リスクには、すべて自力で対処する必要があります。

収入が途絶えた時期の生活費や事業の継続費用(運転資金)は、過去の売上から貯蓄しておいた資金を取り崩して賄うしかありません。

しかも、個人事業主にとって仕事が突然なくなる事態は、決してめずらしいことではありません。
(私も経験、あります)

急な収入減に耐えられる「自己防衛資金」を口座に蓄えておくためにも、日頃から大きな売上を上げておく必要があります。

物販・仕入れ系なら「売上10倍」が最低ラインになる理由

ここまで無仕入れの事業を前提にお話ししてきましたが、商品を仕入れて販売する物販などの事業領域では、基準が「給料の10倍」に跳ね上がります。
なぜなら、売上の中に占める「仕入れ値(原価)」の割合が大きいからです。

一般的に、仕入れが発生するビジネスでは、売上の3割以上が仕入れ費用として消えていきます。
さらに残りの金額から、商品の販売に必要な広告宣伝費、梱包資材費、物流費、店舗を構える場合は賃料などを支払う必要があります。
結局、最終的に手元に残る利益は売上の1〜2割程度まで圧縮されると考えてください。

手元に自由になるお金を残し、事業を安全に回していくためには、少なくとも現在の給料の10倍程度の売上規模が求められる、というわけです。

仕入れが発生するビジネスを展開している方は、3倍の売上では足りないという点をしっかりと認識しておきましょう。

会社員の最強カードを捨てるな!「副業ハイブリッド」という賢い選択

ここまでお伝えしてきた通り、独立起業の道は決して甘いものではありません。
会社員という立場があるからこそ受け取れている手厚い保障やインフラ環境は、非常に恵まれたものなのです。

副業の売上が伸びてきたからといって、焦って会社を辞める必要はありません。
会社員としての安定した収入と公的保障を確保しながら、副業で自分のビジネスを育てる「副業ハイブリッド」のスタイルを維持していく。
これが、最もリスクが少なく賢明な判断と言えます。

自分の裁量で100%ビジネスを動かせる独立起業には、素晴らしいやりがいと魅力があります。
だからこそ、会社員の強みを最大限に活かしつつ、十分な準備と売上基盤を整えて挑戦してみてください。

うまくいっても、たとえ残念な結果に終わったとしても、得られるものは大きいことを私から確約します。

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この記事を書いた人

地方に住む、普通の主婦。
2010年から在宅で仕事をしています。

このブログでは、「持続可能な現実的な生き方」をテーマに
・生き方
・考え方
・働き方
・人間関係
について、「こうあるべき」ではなく、実際に起きたこと、考えたことをもとに書いています。

名前や肩書きより、考え方そのものに興味を持っていただけたらうれしいです。

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