会社で働いているけれども、もうちょっとお給料があればうれしいと思っている。
でも、昇給には期待できそうにない。
「そうだ、副業をしてフリーランスになろう!」
お金を得る道を増やして、収入アップを狙う作戦です。
この作戦、基本的にはかなり有効ですし、たくさんの成功者を私は見てきました。
なのですが、フリーランスとしての収入は会社員と違って不安定になりがちなのが欠点です。
このフリーランスの不安定さをカバーして、「収入が安定している」と言えるようになる方法は、あるのでしょうか?
「明日から来なくていいよ」がフリーランスの当たり前
日本の労働市場においては、会社側から被雇用者を解雇するハードルが非常に高いです。
懲戒解雇など被雇用者側に非がある場合を除き、会社都合の解雇はめったにないと思ってよいです。
会社都合での解雇の事例としては
- 会社が倒産した
- リストラが実施された
といった事例があるだけ。
あなたの周りで「私は会社都合で解雇されました」という方は、そうそういないはずです。
その一方で、フリーランスは「明日の仕事」すら保証されていないのが実態です。
業務委託契約書(正しくは「請負契約」もしくは「委任(準委任)契約」のいずれか)には
- 依頼されている業務
- 納品完了の定義
- 支払われる報酬
- 契約期間(定期的に業務が発生する場合)
- 契約解除の流れ
といった内容が記載されており、契約を交わす際はお互いに「これで納得しました」と署名捺印するものです。
なのですが、キャッシュフローの状態が悪化すると、発注元は平気で「明日から来なくていいよ」と言い出すもの。
「そんなのって、アリ?」と思ったかもしれませんが、そんなものと思ってください。
もちろん「契約書にはこう書かれています!」と交渉することはできます。
ただ、交渉の末、所定の報酬を獲得できるケースは、それほど多くありません。
結局は諦めて、泣き寝入りするフリーランスがたくさんいると、お伝えします。
フリーランス・収入安定化への道
フリーランスという働き方は、そもそもが不安定である。
この事実を理解した上で、収入を安定させる方法はあります。
このパートは、実際に私が実行したことがある、もしくは現在進行系で実施している施策を解説します。
1.複数の事業を持つ=多角化経営
フリーランスは雇用されていないので、「自分が何をして報酬をもらうのか?」を自分で決められます。
非常に大きなメリットなので、フルに活用しましょう。
その際、事業の種類をバラバラにするのがおすすめ。
安定感を上乗せすることができます。
- クライアントワーク:ライター、デザイナー、動画編集、プログラミング
- 広告による収益:アフィリエイト、動画配信
- 労働集約型ビジネス:セミナー講師、コンサルタント、カウンセラー、占い師
- ストック型ビジネス:有料教材販売、オンラインサロン運営
これらの中から複数を選び、組み合わせることで、収入はより安定します。
2.複数の顧客を持つ
取り組む順番としてはこちらが先なのですが、選べる事業の説明が必要でしたので「1」の後に記載しました。
まず最初にひとつ、何かの事業を選んで始めることになるでしょう。
フリーランスになった時に、必ず実行していただきたい事があります。
それは「少数の顧客に、大半のリソースを投入しない」
いわゆる「太客」を狙ってはならない、と考えてください。
大口顧客は、いるとうれしいものです。
ですが、フリーランスである以上、簡単に「リソース=人員」を増やすことは難しいでしょう。
この状態から、どのような「未来」が描き出せるのか?
答えは、太客がひとりいなくなった結果、報酬が激減して途方に暮れるあなた、です。
だからこそ、規模が小さいうちこそ、多くの顧客を持つこと。
顧客の人数が多ければ多いほど、ひとりの顧客が抜けた際の影響も小さいです。
複数の仕事が同時進行になるので、キツイ面もあるでしょう。
一方で、そのデメリットを補って余りあるメリットが得られます。
3.リソースを増やす
最後の仕上げはリソースを増やしていくこと。
フリーランスではありますが、工夫次第でできることはいろいろとあります。
具体的には
- 人員を増やす:業務委託先を増やす
- Webやシステム、アプリで時短&効率化:業界専用ツールの導入
- 生成AIの活用
以上の3つから、あなたの持っている事業に合わせて選択することになります。
まだまだ発展途上ではあるものの、今後は生成AIの活用により大幅なリソース削減が見込まれます。
新しいAI、興味のあるAIには、積極的に触れていくとよいでしょう。
なお、生成AIの効果として期待できる「リソース削減」は、リソースを増やすことに直結します。
家計管理における収入増と同程度、あるいはそれ以上の効果が期待できるのが「固定費削減、節約」と言われるのと、仕組みは同じと考えてください。
いつでも移動できる「身軽さ」、そして「安定感」を持とう!
会社勤めに見切りをつけて、フリーランスとして転身する方が増えています。
なのですが、私はこの風潮に一種の危機感を感じている、というのが正直な感覚です。
不満はいろいろとありますが、会社員はフリーランスとくらべて圧倒的に「守られて」います。
先ほど解雇の話をした際に触れましたが、会社員はそう簡単に会社を辞めさせられることは、まずありません。
これは、「毎月、決まった期日に、ある程度、安定した額の給与が振り込まれる」を意味しています。
会社員としての安定をわざわざ捨ててまで、フリーランスに絞る必要性は薄いです。
フリーランスとしては常に複数の顧客と事業を持ち、状況に応じて適宜、入れ替える。
他方では、会社員としての立場を保持し、一定の安定を確保する。
以上がフリーランスとしての「収入安定化」だと、私から提案します。
フリーランスだけで生活が成り立つ基準があります。
くわしくは別の記事に譲りますが、結論だけ先に。
「手取り収入の最低でも3倍」
「物販など仕入れや在庫が発生するなら、取り扱い商品次第だが手取り収入の10倍でも不安要素は残る」
以上です。
また別の機会に解説します。